探偵小説の理論
ー形式化とデータベースー
修士論文要旨
本論は現代日本における探偵小説ジャンルの動向を社会的なコンテキストのうちに読み取ろうとする試みのひとつである。
第一章では、探偵小説がジャンルとして成立した第一次世界大戦後の英米と、第二次世界大戦後の日本における探偵小説の歴史を概観する。
第二章では、八〇年代後半の日本においてジャンル的隆盛を迎えた探偵小説の特性を探っている。
第三章では、第二章の議論を継続し、九〇年代日本における探偵小説の動向を、清涼院流水の小説を中心に考察する。
目次
要旨
序論
第一章 探偵小説と世界大戦の時代
第一節 江戸川乱歩の探偵小説論
第二節 『真珠郎』と『本陣殺人事件
第三節 探偵小説における形式化の問題
第四節 鮎川哲也と戦後日本社会
第五節 本格派探偵小説としての『点と線』
第二章 八〇年代探偵小説と物語消費論
第一節 反-探偵小説の試み
第二節 推理論
第三節 島田荘司から「第三の波」へ
第四節 物語消費と模倣
第五節 「大きな物語」としての「館」
第三章 データベース文学史に向けて
第一節 『コズミック』
第二節 「キャラ読み」読者と郵便的不安
第三節 九〇年代探偵小説の荒野
第四節 清涼院のデータベース化
第五節 データベース文学史の端緒として
結論
参考・引用文献